I-PEXのエンタープライズソリューション

目次 : 

1. I-PEXがエンタープライズ市場向け製品を開発する背景

2. DUALINE® & LEAPWIRE®

3. PCB vs LEAPWIRE®(Twinaxケーブル)の伝送距離比較

4. Co-Package化の動向

5. MEZZTRACK®(高速基板間接続用)製品紹介

6. DUALINE® 195-HB製品紹介

7. DUALINE® 110-VB-M製品紹介

8. DUALINE® 130-HB-D製品紹介

9. CABLINE®-CAP パドルカードハーネス製品紹介

10. CABLINE®-CA IIP PLUS パドルカードハーネス製品紹介

 

1. I-PEXがエンタープライズ市場向け製品を開発する背景

近年、エンタープライズ市場においてサーバーやスィッチなど、電気通信のインフラストラクチャの伝送の高速化が益々進んでいます。一方で課題として、従来の基板配線では挿入損失が大きく、伝送距離に制約が生じてしまいます。また、将来のCo-Packageシステム化にあたっては、高密度実装化の課題があります。
それらの課題を解決するために、低ロスTwinaxケ-ブルを使用した112G PAM4対応LEAPWIRE®ソリューション / DUALINE®コネクタシリーズおよび基板対基板接続用の製品とパドルカードハーネスソリューションで64Gbps PAM4を開発しました。用途としては機器内部のチップ間の伝送やI/Oコネクタへの接続に対応します。

leapwire

 

2. DUALINE® & LEAPWIRE®

DUALINE®

I-PEXのDUALINE®シリーズは、高速伝送に最適なTwinaxケ-ブル用コネクタの名称です。

dualine-195-110

LEAPWIRE®

LEAPWIRE®は、I-PEXが提供する高速伝送ジャンパーソリューションの名称です。

800GQSFP-DD
800G QSFP-DD と DUALINE®195-HB のハーネスアッセンブリ (112 Gbps PAM4)
800GQSFP-DDtoDUALINE110-VB-M
800G QSFP-DD と DUALINE®110-VB-M のハーネスアッセンブリ (112Gbps PAM4)
(最大: 800G QSFP-DD x4ポート)
400GQSFP-DDtoCABLINE-CAP
400G QSFP-DD と CABLINE®-CAP のハーネスアッセンブリ(56Gbps PAM4)

 

課題

従来、図1のような基板伝送のパターンにおいて、挿入損失が大きいことが課題となってきました。また、図2の一般的なジャンパーハーネスでは、コネクタサイズが大きいため、ヒートシンクから離れた位置でのコネクタの配置となり、かつI/Oコネクタへは基板を介しての接続となるため、伝送ロスが大きくなります。
I-PEXが提案する図3のソリューションは、コネクタ高さが低いデザインとなっていることから、ASICにより近いヒートシンク下への配置することで基板伝送距離を最小限に抑え、かつI/Oコネクタへダイレクトな接続も可能なため、伝送ロスの削減に寄与します。また製品サイズが小さいため、エアフロー対策にも寄与します。

pcb-trace-transmission
図1 基板間伝送

 

jumper-harness
図2 ジャンパーハーネス伝送
dualine195hb
図3 I-PEX LEAPWIRE®(DUALINE®195-HB) ジャンパーハーネス伝送
connector-under-heat-sink
ヒートシンクの下にコネクタ設置
QSFP-DD-to-DUALINE195-HB
QSFP-DD と DUALINE®195-HB のハーネスアッセンブリ

 

3. Low-Loss PCB(Dk3.7)vs I-PEX LEAPWIRE®(Twinaxケーブル)の伝送距離比較

I-PEX LEAPWIRE®(Twinaxケーブル)は、低伝送損失基板に比べて28GHz帯域において約10.3倍の距離の伝送が可能です。

low-loss-pcb-twinax.png

 

測定条件

低伝送損失基板
基板誘電率:3.7 
(※一般的なFR-4基板の誘電率は4.7~5.0程度)

  • 伝送方式:差動伝送
  • 試験装置:ネットワークアナライザ Keysight technologies  E5080B
  • 測定周波数:10MHz~30GHz
  • 測定位置:1,2,3,4 (G,S,S,G)
harness-jumper

 

4. Co-Package化の動向

Co-Packageとは、帯域幅と消費電力の課題に対応することを目的とし、ICと共に電子部品を単一パッケージ基板上に纏める高度な混載実装技術です。
次のステップでは、光学系と電子スイッチングを単一パッケージ基板上に纏めることが想定されています。この技術によって消費電力と熱影響を低減すると同時に、フットプリントを削減することが、高速ネットワークの効率的なサポートの課題となっています。また故障時はPackage自体を交換可能なシステムとなっていて設計デザインの自由度を高めます。
上述した通り、伝送の高速化や効率化、また実装の高密度化が課題となっているため、製品サイズが小さく、かつ高速伝送が可能なジャンパーソリューションが求められています。

co-packaging-trend

 

上記の課題を解決することを目指し、I-PEXはエンタープライズ市場向けに3つの112Gbps対応製品を開発しました。

 
MEZZTRACK® 
DUALINE® 195-HB
DUALINE® 110-VB-M
DUALINE® 130-HB-D
CABLINE®-CAP Harness
CABLINE®-CA IIP PLUS Harness
外観
MEZZTRACK
DUALINE195
DUALINE110
DUALINE130
 

CABLINECAP

 

CABLINECAIIP

コネクタタイプ
基板間接続
電線対基板
電線対基板
電線対基板
電線対基板
電線対基板
嵌合方向
垂直嵌合
水平嵌合
垂直嵌合
水平嵌合
水平嵌合
水平嵌合
製品紹介動画
click-here.png
-
-
-

 

5. MEZZTRACK®(高速基板間接続用)製品紹介

mezztrack_1.jpg

 

mezztrack_2.jpg
mezztrack_3.jpg mezztrack_4.jpg
1. MEZZTRACK®    2. オンボードオプティカルモジュール    3. I/Oコネクタへ    4. ASIC

 

製品特徴

  • 伝送速度112G PAM4に対応
  • 独自のコンタクト設計によりディファレンシャルペア間での優れたアイソレーション性能を実現
  • 低背、省スペースデザイン、H=2.0mm、D=21.20mm、W=19.01mm Co-Packageのような高密度実装に最適

製品仕様

嵌合タイプ
垂直
ピッチ
1.45mm (差動ペア) ※0.35mm(信号接点)
ピン数
10-60差動ペア (20-120 信号接点)
高さ
2.00mm
奥行き
21.20mm (60差動ペア)
19.01mm (60差動ペア)
動作温度
-40℃ ~ 85℃

伝送特性データ(参考)

mezztrack_G.jpg
上段: プラグ、 下段: レセプタクル

測定結果

 
挿入損失
 
反射損失

 

MEZZInsertionLoss   MEZZReturnLoss
単位[dB]
14GHzまでの最小値
28GHzまでの最小値
単位[dB]
 14GHzまでの最大値
28GHzまでの最大値
SDD21
-0.11
-0.21
SSD11
-26.50
-18.34
 
近端クロストーク
 
遠端クロストーク

 

MEZZNearEndCT   MEZZFarEndCT
単位[dB]
14GHzまでの最大値
28GHzまでの最大値
単位[dB]
14GHzまでの最大値
28GHzまでの最大値
SDD31
-59.44
-53.02
SSD41
-62.17
-54.69
SDD51
-63.07
-57.99
SDD61
-67.04
-60.30
SDD71
-68.48
-58.26
SDD81
-64.88
-60.90

現在、試作段階の製品のため、製品仕様変更の可能性がございます。あらかじめご了承ください。
サンプル供給につきましては、弊社までお問い合わせください。

 

6. DUALINE® 195-HB 製品紹介

dualine195hb

 

製品特徴

・伝送速度112Gbps PAM4に対応
シグナルインテグリティー性能に優れるTwinax ケーブルを採用
・低背、省スペースデザイン、 H=3.0mm、D=11.0mm、W=40.0mm
H=3.0mmの低背設計でCPUにより近いヒートシンクの下への配置することができ、伝送ロスの低減に寄与。小型デザインにより機器内のエアフロー対策にも貢献。
・嵌合外れを防止するメカニカルロック付き

製品仕様

嵌合タイプ
水平
ピッチ
1.95mm (差動ペア) ※0.4mm (信号接点)
ピン数
32ピン(16差動ペア)
高さ
3.0mm
奥行き
11.0mm
40.0mm
ケーブル
TwinaxケーブルAWG #32
動作温度
-40℃ ~ 105℃

伝送特性データ(参考)

測定条件

  • ケーブル:Twinaxケーブル、AWG #32, 差動92ohm
  • ケーブル長:300mm
  • コネクタ両端付き
DUALINE110testcondition1 DUALINE110testcondition2

 

 測定結果

 
挿入損失
反射損失

 

DUALINE195InsertionLoss

DUALINE195ReturnLoss

単位[dB]
14GHzまでの最小値
28GHzまでの最小値
14GHzまでの最大値
28GHzまでの最大値
7ペア
-2.24
-3.43
-20.15
-16.39
8ペア
-2.25
-3.46
-19.94
-15.85
 
近端クロストーク
遠端クロストーク

 

DUALINE195NearEndCT

DUALINE195FarEndCT

単位[dB]
14GHzまでの最大値
28GHzまでの最大値
14GHzまでの最大値
28GHzまでの最大値
Pair 7-8
-68.13
-56.04
-64.59
-53.71

現在、試作段階の製品のため、製品仕様変更の可能性がございます。あらかじめご了承ください。
サンプル供給につきましては、弊社までお問い合わせください。

 

7. DUALINE® 110-VB-M 製品紹介

dualine-110-vb-m

製品特徴

  • 伝送速度112Gbps PAM4に対応
  • シグナルインテグリティー性能に優れるTWINAXケーブルを採用
  • Co-Packageシステムに対応
  • 高密度実装化に対応する小スペース製品  
  • 多ピン配列、64ペア(16差動ペア×4列)

製品仕様

嵌合タイプ
垂直
ピッチ
1.10mm(差動ペア) *0.35mm (信号接点)
ピン数
64ペア(16ピン差動ペア x 4) 
高さ
2.77mm
奥行き
13.41mm
19.9mm
ケーブル
Twinaxケーブル AWG #32, 34
動作温度
-40℃ ~ 85℃

伝送特性データ(参考)

測定条件

  • ケーブル: Twinaxケーブル、AWG #34, 差動 92ohm
  • ケーブル長: 300 mm
  • コネクタ両端付き
DUALINE110testcondition1 DUALINE110testcondition2

 

 測定結果

 
挿入損失
反射損失

 

DUALINE110InsertionLoss

DUALINE110ReturnLoss

単位[dB]
14GHzまでの最小値
28GHzまでの最小値
14GHzまでの最大値
28GHzまでの最大値
1ペア
-3.25
-5.06
-20.68
-15.19
2ペア
-3.21
-6.15
-19.15
-16.53
3ペア
-3.29
-5.16
-20.9
-15.03
 
近端クロストーク
遠端クロストーク

 

DUALINE110NearEndCT

DUALINE110FarEndCT

単位[dB]
14GHzまでの最大値
28GHzまでの最大値
14GHzまでの最大値
28GHzまでの最大値
1-2ペア
-59.74
-52.55
-65.6
-57.12
1-3ペア
-75.97
-66.08
-76.71
-62.58
2-3ペア
-59.93
-57.14
-66.12
-58.31

現在、試作段階の製品のため、製品仕様変更の可能性がございます。あらかじめご了承ください。
サンプル供給につきましては、弊社までお問い合わせください。

 

8. DUALINE® 130-HB-D 製品紹介

DUALINE130

製品特徴

  • 伝送速度112Gbps PAM4に対応
  • ダブルロータイプでスペースの制約があるアプリケーションに最適
  • Twinaxケーブルを使用したLEAPWIRE®ジャンパーソリューション

 製品仕様

嵌合タイプ
水平
ピッチ
1.30mm (差動ペア) *0.40mm (信号接点)
ピン数
64ピン(16差動ペアx 2列 = 32ペア) 
高さ
3.10mm
奥行き
8.70mm
26.90mm
ケーブル
Twinaxケーブル AWG #34
動作温度
-40℃ ~ 85℃

伝送特性データ(参考)

測定条件

  • ケーブル: Twinaxケーブル、AWG #34, 差動92ohm
  • ケーブル長: 356mm
  • コネクタ両端付き
DUALINE130test1 DUALINE130test2

 

測定結果

 
挿入損失
反射損失

 

 DUALINE130InsertionLoss.png

DUALINE130ReturnLoss

単位[dB]
14GHzまでの最小値
28GHzまでの最小値
14GHzまでの最大値
28GHzまでの最大値
上方
-3.67
-5.57
-17.55
-13.38
下方
-3.55
-5.33
-18.04
-16.60

 

 
近端クロストーク
遠端クロストーク

 

DUALINE130NearEndCT

DUALINE130FarEndCT
単位[dB]
14GHzまでの最大値
28GHzまでの最大値
14GHzまでの最大値
28GHzまでの最大値
上方
-51.92
-48.64
-51.22
-44.55
下方
-59.77
-50.91
-54.59
-50.34

現在、試作段階の製品のため、製品仕様変更の可能性がございます。あらかじめご了承ください。
サンプル供給につきましては、弊社までお問い合わせください。

 

9. CABLINE®-CAP パドルカードハーネス製品紹介

CABLINECAP

製品特徴

  • パドルカード技術を駆使した高速伝送64Gbps/lane PAM4に対応
  • 低背でスペース制約があるアプリケーションに最適
  • 細線同軸ケーブルを使用したLEAPWIRE®ジャンパーソリューション
  • CABLINE®-CA のレセプタクル(20525-#50E-02)に嵌合

製品仕様

嵌合タイプ
水平
ピッチ
0.40mm
ピン数
50ピン(16差動ペア) 
高さ
1.15mm、最大1.35mm
奥行き
6.86mm
25.75mm
動作温度
-40℃ ~ 85℃

伝送特性データ(参考)

測定条件

  • プラグ: CABLINE-CAPパドルカードハーネス
  • ケーブル: L=250mm, 500mm (細線同軸 AWG #38, 差動 90ohm)
  • レセプタクル: CABLINE-CA レセプタクルアッセンブリ
CABCAP1 CABCAP2

 

測定結果

 
挿入損失
反射損失

 

CABLINECAPInsertionLoss

CABLINECAPReturnLoss

単位[dB]
16GHzまでの最小値/単位[dB]
16GHzまでの最大値/単位[dB]
L=500 mm
-10.31
-17.90
L=250 mm
-5.51
-16.04

 

 
近端クロストーク
遠端クロストーク

 

CABLINECAPNearEndCT

CABLINECAPFarEndCT

単位[dB]
16GHzまでの最大値/単位[dB]
16GHzまでの最大値/単位[dB]
L=500 mm
-38.32
-41.02
L=250 mm
-36.65
-36.61

CABLINE®-CAPの製品詳細についてはこちらをご覧ください
サンプル供給につきましては、弊社までお問い合わせください。

 

10. CABLINE®-CA IIP PLUS パドルカードハーネス製品紹介

CABLINECAIIPPLUS

製品特徴

  • パドルカード技術を駆使した高速伝送64Gbps/lane PAM4に対応
  • 低背でスペース制約があるアプリケーションに最適、かつ、ZenShield®フルシールドカバー付き
  • 細線同軸ケーブルを使用したLEAPWIRE®ジャンパーソリューション
  • CABLINE®-CA II PLUS のレセプタクル(20790-060E-01/-02)に嵌合

製品仕様

嵌合タイプ

水平

ピッチ

1.20mm(差動ペア)
※0.40mm(信号接点)

ピン数 60ピン(19差動ペア) 
高さ 1.14mm、最大1.30mm
奥行き 8.20mm
30.95mm
動作温度 -40℃ ~ 85℃

伝送特性データ(参考)

測定条件

  • プラグ: CABLINE-CA IIP PLUSパドルカードハーネス
  • ケーブル:Test Sample 1: L=390mm (Twinaxケーブル #34 差動 85ohm)
         Test Sample 2: L=165mm (細線同軸 #38 差動 85ohm)
  • レセプタクル: CABLINE-CA II PLUS レセプタクルアッセンブリ
testsample1
Test sample 1
L=390mm
(Twinaxケーブル #34 差動 85 ohm)
testsample2
Test sample 2
L=165mm
(細線同軸 #38 差動 85 ohm)
CABCAIIPPLUStestcondition1 CABCAIIPPLUStestcondition2

 

測定結果 test sample 1

挿入損失
反射損失
04_frequency_0.jpg CABCAIIPPLUSReturnLoss_1.png
16GHzまでの最小値/単位[dB]
16GHzまでの最大値/単位[dB]
-4.522
-19.596
近端クロストーク
遠端クロストーク
CABCAIIPPLUSNearEndCT_1.png CABCAIIPPLUSFarEndCT_1.png
16GHzまでの最大値/単位[dB]
16GHzまでの最大値/単位[dB]
-36.276
-39.257

測定結果 test Sample 2

挿入損失
反射損失

CABCAIIPPLUSInsertionLoss2

CABCAIIPPLUSReturnLoss2

16GHzまでの最小値/単位[dB]
16GHzまでの最大値/単位[dB]
-5.427
-20.144
近端クロストーク
遠端クロストーク

CABCAIIPPLUSNearEndCT2

CABCAIIPPLUSFarEndCT2

16GHzまでの最大値/単位[dB]
16GHzまでの最大値/単位[dB]
-38.407
-40.104

CABLINE®-CA IIP PLUSの製品詳細についてはこちらをご覧ください
サンプル供給につきましては、弊社までお問い合わせください。

Check out I-PEX Enterprise Solutions for 112 Gbps PAM4 Applications. LEAPWIRE®(Twinax Cable), DUALINE® 195-HB, DUALINE® 110-VB-M, and MEZZTRACK® (Optics or other mezzanine applications) are introduced in this video.
エンタープライズコンピューティング向けのI-PEXコネクタソリューション。
近年、エンタープライズ市場においてサーバーやスィッチ等、電気通信のインフラストラクチャの伝送の高速化が益々、進んでいます。 課題として、従来の基板配線では挿入損失が大きく、伝送距離に制約があります。 また、Co-Packageシステムでは、高密度実装化の課題があり、それらの課題を解決する為に高速Twinaxケ-ブルを使用したLEAPWIRE® / DUALINE®シリーズ 112Gbps PAM4やMEZZTRACK®シリーズ 基板対基板接続用 112G PAM4に対応する製品開発をスタートしました。