光モジュール
LIGHTPASS®シリーズ
LIGHTPASS®シリーズは、オンボードアプリケーション向けにデザインされた、マルチチャネル・超小型・薄型光モジュール製品です。双方向の光電変換(E-to-O、O-to-E)を可能にすることで、電気伝送距離の短縮を可能にし、伝送損失を大幅に低減します。またLIGHTPASS®は広い温度範囲で安定した周波数帯域を確保するという特長があります。これらの特長を生かし、オートクレーブ対応内視鏡カメラや通信基地局、車載カメラやLiDARなど、高温環境下での使用が想定される領域においても安定したパフォーマンスを発揮します。
目次:
文書:オンボードモジュールLIGHTPASS-EOB 100G解説ガイド
ラインナップ
LIGHTPASS®シリーズはマイクロコントロールユニットを搭載したモデルと、サイズ・フットプリントを優先し高密度実装を可能にするマイクロコントロール非搭載のモデルをラインナップしており、アプリケーションの設計にあったモジュールを選定いただけます。
製品名称 |
*LIGHTPASS®-EOB II 128G |
*LIGHTPASS®-EOS 100G |
LIGHTPASS®-EOM 100G |
LIGHTPASS®-EOB 100G |
外観 |
||||
サイズ (W,D,H)(mm) |
18.6 x 36.24 x 3.73 |
8.4 x 34.8 x 4.6 |
14.0 x 12.0 x 8.6 |
29.75 x 29.01 x 2.3 |
伝送容量 |
128 Gbps
|
100 Gbps
|
100 Gbps
|
100 Gbps
|
電源(V) |
3.3 |
3.3 |
0.9, 1.0, 3.3 |
0.9, 1.0, 3.3 |
動作ケース温度範囲(℃) |
-40 ~ 85 (105) |
-40 ~ 85 (105) |
-40 ~ 85 |
-40 ~ 85 (105) |
マイクロコントロールユニット |
〇 |
〇 |
× |
〇 |
メカニカルロック |
〇 |
× |
× |
〇 |
*EOB II 128GとEOS 100Gの量産開始時期は2025年上半期予定です。
高温動作時の安定性
LIGHTPASS®シリーズの光源には高温動作でも高出力を維持可能な量子ドットレーザダイオード(QD-LD)を採用しています。
量子井戸型ダイオード(QW-LD)タイプと比較し、QD-LDは量子ドットに閉じ込められた電子は低い移動エネルギーとなり、温度状態変化下においても状態変化(エネルギー消費)が少ないことで耐温度特性が飛躍的に改善、エネルギー効率向上に寄与しています。
QD-LDの特性に加え、LIGHTPASS製品には放熱性を考慮したデザインが施されています。温度変化の過酷な環境下においても、安定的に高速伝送パフォーマンスを維持することができます。
<QDレーザ(量子ドット型)>
活性層に量子ドットを採用したQD-LD。
温度変化による電子の動きが限定的なため、温度変化による状態変化を極端に減らすことができるため、エネルギー効率を飛躍的に向上でき、高温時でもパフォーマンスを出すことができる。
<ファブリペローレーザ(量子井戸(QW)ドット型)>
活性層に電子(赤点)を1次元的に閉じ込めたファブリペローレーザ型。
温度変化により電子の動きが増すため、高温で特性が劣化してしまう。
耐ノイズ特性
光伝送は、電気伝送と比較してノイズの耐性が良好です。外部からのノイズ影響をほぼ受けないため、距離による伝送の減衰はほとんどなくなるため、銅線に対して距離的優位性があります。医療機器や検査装置などのアプリケーションにおいて、耐ノイズ性能が生かされます。
長い伝送距離
光伝送は電気伝送に対して、ノイズ影響による減衰がなく、結果として伝送距離、および伝送容量においても圧倒的に有利です。また光ファイバーは、電気伝送との比較において、配線重量も軽量化でき、航空機内のシステムや放送機器間のデータ伝送などでその強みを発揮します。
フレキシブルな光ファイバーアセンブリ
長距離伝送が必要な、または、ノイズ影響などにシビアな状況下で使用される機器など、銅線では対応しきれない環境において、小型なLIGHTPASS®モジュールとフレキシブルな光ファイバーアセンブリで、光の特性を最大限生かし、大容量光伝送を可能にします。
基地局の設備のアンテナや各ユニットのデバイス間を長距離に渡って大容量伝送をする際に光の特性が重要になる。 |
医療現場において、外科医のコンソール、モニタ、エンドスコープの各デバイスをつないで即時にライブ映像で確認することが求められる。ノイズの影響がなく、長距離に接続できる光の特長を、小型モジュールLIGHTPASS®が実現可能にする。 |
小型軽量
LIGHTPASS®は世界最小クラスの超小型光トランシーバエンジン(アイオーコア製5mm角チップ)で、基板上に光素子を形成するためにシリコンフォトニクス技術を生かし、小型パッケージ搭載を実現。さらに斜めカットファイバアレイを適用することで光ファイバブロックの高さを抑え、モジュールを低背、省スペースデザインに仕上げています。加えて光ファイバーは銅線に比べ、配線断面積で最大90%も小さく、最大50%も軽量です(I-PEX調べ)。高い伝送速度を求めると同時に重量や設計スペースにシビアなアプリケーションに最適なソリューションの一つとしてご提供いたします。
アプリケーション
LIGHTPASS®光モジュールは、その特性である小型低背、低ノイズ、長距離伝送、高温領域での動作特性などを生かし、様々な環境のアプリケーションで活用いただけます。例えば、LIGHTPASS®-EOS 100Gは、小型、高温対応かつノイズ影響が少ないことが重要であるオートクレーブ対応医療機器に向き、LIGHTPASS®-EOB II 128Gは、PCle Gen 5対応で大容量伝送機器を連携して使う情報機器、大容量の映像データ処理が必要な放送機器、過酷な環境下の基地局、わずかな軽量化をも追及することが求められる航空機などに最適で、それぞれの使用条件下で最大限その性能を発揮します。
製品のお問い合わせ
アイオーコア株式会社および光IOコアについて
アイオーコア株式会社は、技術研究組合光電⼦融合基盤技術研究所(PETRA)から研究成果の知的財産権と技術の⼀部を承継して新設分割された初めての株式会社です。この研究成果は、PETRAが国⽴研究開発法⼈新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から委託を受けて実施したものです。
同社が量産する光I/Oコアは、シリコン基板上に光素⼦を形成する「シリコンフォトニクス技術」を⽤いて作製した5mm⾓サイズの光トランシーバーチップで、1chあたり25Gbps の伝送速度を持ち、送受4chで合計100Gbpsの伝送速度による双⽅向通信が可能です。
新製品リリース:I-PEX、アクティブ光モジュールLIGHTPASS🄬シリーズに2つの新製品を追加(2023/8/3)
動画:Active Optical Modules LIGHTPASS® Series