FPGA*プラットフォームにおけるオンボード光モジュール活用の優位性
IEEE (Institute of Electrical and Electronics Engineers)のウェブサイトに、Peng Cheng Laboratoryの論文「Verification of 100Gb/s Data-Rate Transceiving through Silicon-Photonic Module in an FPGA Platform」が掲載されました。
PCLは、China Semiconductor Technology International ConferenceにてFPGAプラットフォームを使用し100Gbps伝送の検証結果を発表。本研究の結果、4×25G SerDes TX/RXによる100Gbpsの高速データレートの特性評価に、今回作成したFPGAベースの検証プラットフォームが適していることを立証しました。LIGHTPASS®-EOB 100Gは、PCLのFPGAベース検証プラットフォームのコンポーネントの1つとして採用されています。
https://ieeexplore.ieee.org/document/10219187
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*FPGA (Field Programmable Gate Array)の略称で、通信機器やデータセンター、産業機器から家電にまで搭載される集積回路(IC)の一種です。
現場でデジタル回路(ロジック回路)の書き換えを行うことができる集積回路のことで 従来のICやLSIの課題であった仕様変更のしやすさやさらなる集積度の向上などの利点があり、デジタル化時代に欠かせない存在になってきています。
IPEXのLIGHTPASS®シリーズは、オンボードアプリケーション向けにデザインされた、マルチチャネル・超小型・薄型光モジュール製品です。双方向の光電変換(E-to-O、O-to-E)を可能にすることで、電気伝送距離の短縮を可能にし、伝送損失を大幅に低減します。またLIGHTPASS®は広い温度範囲で安定した周波数帯域を確保するという特長があります。これらの特長を生かし、オートクレーブ対応内視鏡カメラや通信基地局、車載カメラやLiDARなど、高温環境下での使用が想定される領域においても安定したパフォーマンスを発揮します。
FPGAプラットフォームでオンボード光モジュールを使用する理由
高い処理能力と柔軟性
FPGAはハードウェアでプログラム可能なデバイスであり、畳み込み演算、信号処理、デジタルシグナル処理など、様々なアプリケーションに対応できます。オンボードの光モジュールを使用することで、高速で柔軟なデータ伝送が可能になります。
高いデータ伝送レート
光通信は電気信号よりも高いデータ伝送レートを提供します。オンボードの光モジュールを使用することで、さらに高いデータ帯域幅が得られ、処理性能を最大限に引き出すことができます。
省エネルギー
光通信は電気信号に比べて低いエネルギーでデータを伝送できるため、省エネルギーなシステムを構築することができます。特にデータセンターやハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)環境では、エネルギー効率の向上が重要です。
電気ノイズの低減
光通信は電気信号よりも電磁ノイズの影響を受けにくいため、高い信頼性が期待できます。これにより、データの正確性が向上し、システムの安定性が確保されます。
小型化と軽量化
光モジュールは比較的小型であり、同じデータ転送能力を持つ場合でも、光通信は一般的に電気通信よりも軽量で小型なデバイスを実現できます。これは、特に携帯機器や組み込みシステムにおいて有利です。
これらの理由により、FPGAプラットフォームでオンボード光モジュールを使用することは、高い性能、低いエネルギー消費、信頼性の向上など、さまざまな利点をもたらす可能性があります。