Li-Poバッテリーコネクタ: AV-Bシリーズ(2022/11/8)

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ドローンの安全性

我々の頭上をドローンが飛び交う時代がやってきています。ドローンの墜落は重大な人身事故に繋がり得る事を考えると、そこに使用される各種部品には絶対的なクオリティと高い信頼性が求められます。その部品の一つとして、ドローン機体と電源(バッテリー)を接続するコネクターが挙げられます。


バッテリーコネクタの要件

  1. 振動や衝撃による嵌合外れを防止する機構
  2. 一方で緊急時には機体からバッテリーを即座に抜去できる機構
  3. 半嵌合を防止する機構
  4. こじり嵌合や強い衝撃に起因するハウジングや端子の損傷を防止する機構

現在I-PEXではこれらの条件をすべてクリアし、安全なドローン航行に寄与する新たなLi-Poバッテリーコネクタ(AV-B60 / AV-B90)の開発を進めています。


嵌合ロック

AV-Bシリーズには嵌合ロック機構が実装されています。これによりドローン航行時の振動や衝撃による意図しない嵌合外れを防止します。

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緊急抜去

一方で機体に万が一異常が発生した際には即座にバッテリーを本体から抜去できる様、係止爪の形状(勾配)に工夫を施しています。緊急時にはロック部を操作することなく、一定の力で電線を引っ張る事で迅速に電源遮断が可能です。

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半嵌合防止

半嵌合防止形状を設ける事で正しく嵌合が行われているかを視覚的に確認する事ができます。あわせて嵌合時のロック音により嵌合状態を聴覚的にも確認可能です。

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こじり嵌合対策

どの様な角度で挿入してもハウジングが内部の端子部には接触し得ない構造です。こじり嵌合による端子の損傷、変形を防止します。

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更に間口部のハウジング肉厚を厚くする事で強度をアップしています。こじり嵌合によるハウジングの割れや亀裂を防止します。

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端子バネ部の過大変形防止

端子バネ部の根元に荷重受け部を設けています。万が一の機体落下や衝突時にも端子バネ部への荷重を最小限に抑制し、変形を防止して安定的な接続を維持する構造を採用しています。

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I-PEX AV-B シリーズ製品仕様

  AV-B60 AV-B90
定格電流 定格40A(瞬間60A) / コネクタ
(AWG#12使用時)
定格70A (瞬間 90A) / コネクタ
(AWG#8使用時)
極数 2
使用温度範囲 -40℃ ~ +120℃
結線方法 はんだ付け
適用電線サイズ AWG #12-16 (1.25sq-3.5sq) AWG #8-12 (3.5sq-8sq)
アンチスパーク
コネクタ挿入力 30N以下 40N以下
コネクタ抜去力 30N以下
コネクタ保持力 60N以上
耐電圧 500V DC

※開発中製品につき本記事の内容は予告なく変更される事があります。