MIPIによるカメラ信号伝送にはI-PEXのZenShield®がおすすめ
昨今の社会情勢により人々の生活様式がこれまでと大きく変化してきました。在宅勤務を始めとして家で過ごす時間が増えることでオンライン会議や打ち合わせといったオンラインでコミュニケーションをとる機会が大幅に増えました。それに伴い電子機器に求められる性能も大きく変わってきています。
特に最新のノートブックパソコンではそのようなニーズに応えるためにカメラ機能を充実させたモデルが数多くラインナップされており、高精細カメラや顔認証用にIRカメラが搭載されることも増えてきました。
従来カメラモジュールからマザーボードへの信号伝送はUSBが一般的でしたが、カメラが高解像度化することにより、より通信速度の速いMIPI CSI-2 D-PHY に変更されるケースが多く見られるようになってきました。また、従来はカメライメージセンサーから出力されたMIPI信号をカメラモジュール内でUSBに変換し伝送する必要がありましたが、カメライメージセンサーから出力されるMIPIの信号を直接CPUに伝送することにより低遅延での画像処理が可能になりました。
MIPI CSI-2 D-PHY v2.1では1レーンあたり最大4.5Gbpsの通信速度をサポートし、1レーン当たり最大480Mbpsである従来のUSB 2.0と比較して伝送速度が大幅に速くなりました。しかし、様々な電子部品が高密度で搭載されているノートブックパソコンやタブレットにおいては近くにアンテナが実装されていることも多く、MIPI信号(D-PHYは、System Clock 信号線含む)がアンテナに悪影響を与える可能性があります。そこで、互いの信号干渉を防ぐ為EMCの対策が非常に有効になります。
I-PEXのZenShield® B-to-Bコネクタは、PlugとReceptacle全ての信号端子を覆う構造の金属シールドを搭載していることに加え、PlugとReceptacle両方のシールド同士がコネクタ嵌合時に多点で適切にグランド接続され、かつ基板にも多点で適切にグランディングさせていることでシールドからの電磁ノイズの2次放射も抑える構造となっており、MIPIでのカメラ信号伝送に最適なコネクタです。
ZenShield® コネクタシリーズの特長:
- 信号端子の接点部だけでなく基板実装部(コンタクトSMT部)まで全体がコネクタシールドで覆われている
- PlugとReceptacleのシールド同士が多点で適切にグランド接続されている
- コネクタシールドが基板(FPCコネクタの場合はFPC)にも多点で適切にグランディングされている
関連製品
ZenShield® B-to-B コネクタシリーズ:
NOVASTACK® 35-HDP(高速伝送対応(20+ Gbps/lane)フルシールド構造 電源端子付き、0.35 mm ピッチ、嵌合高さ 0.7 mm)
NOVASTACK® 35-HDN(5G ミリ波アンテナモジュール、5G機器に最適、フルシールド省スペースデザイン、 コルソン材のコンタクトにより電源供給可能、0.35 mm ピッチ、嵌合高さ 0.7 mm)
NOVASTACK® 35-HDH(嵌合高さ 1.5 mm、 0.35 mm ピッチ、フルシールド、 高速伝送対応20GHz (≒40 Gbps)/lane)
ZenShield® FPC/FFCコネクタシリーズ:
CABLINE®-CA IIF(0.4 mmピッチ、メカニカルロック機能)
CABLINE®-VS IIF(0.5 mmピッチ、メカニカルロック機能)
補足説明;
MIPI(Mobile Industry Processor Interface):MIPI Alliance, Incで策定されたモバイル機器のカメラやディスプレイとのインターフェイス規格です。
USB(Universal Serial Bus) : USB Implementers Forum, Incで策定されたコンピュータ等の情報機器に周辺機器を接続するためのシリアルバス規格です。