ClockworkがI-PEXコネクタを選択した理由
電子技術とIoTの発展により、多くの電子機器が世の中に発表されるだけでなく、誰でもこれらの電子機器やハードウェアを製造、変更、配布し、それらを使用できるようになりました。革新的な製品デザインが誰にでも共有されれば、個人でも新たな電子機器開発を行うことも可能になってきます。Clockworkチームは、オープンソースのポータブルデバイスの設計と開発を行っているチームで、 DevTermと GameShell が代表的な製品です。
DevTermは開発者向けのオープンソースのポータブル端末であり、マザーボードのアンテナ接続コネクタとしてI-PEXの小型RFコネクタ( MHF® I )を採用しています。GameShellはオープンソースのポータブルコンソールで、マザーボードと画面の接続用コネクタとしてI-PEXのFPCコネクタであるCABLINE®-VSF plug とCABLINE®-VS receptacleを採用しています。Clockworkの最高経営責任者/創設者であるLiu Hal氏と、Clockworkのゼネラルマネージャー/創設者であるYao Chongjing氏に、Clockworkが自社の製品にI-PEXのコネクタを選択した理由とその背後にあるストーリーを伺いました。
MHF® I 小型RFコネクタ:安定した信頼性の高いパフォーマンス
どの様な製品にI-PEXのMHF® I小型RFコネクタを採用しましたか?また採用した理由はなんですか?
Yao氏: I-PEXのRFコネクタは市場での認知度が高く、我々もオンラインからI-PEXに問い合わせをしました。いろいろと比較した結果、DevTerm製品のBluetoothとWi-Fiを接続するアンテナインターフェイスにMHF® I 小型RFコネクタを選択しました。
Lui氏:I-PEXのMHF® Iを採用した理由のひとつは、市場でのI-PEX MHF®コネクタシリーズのブランドと評判が良かったことです。さらに、MHF® I 小型RFコネクタで使用されている無半田結線技術(i-Fit®テクノロジー)は、電気性能の均一性とコストの点で半田結線タイプのコネクタよりも優れていると思います。
Liu氏:私たちの機器製品は、ネットワークが遮断されると大きな問題になるので、安定した性能を備えた信頼性の高いRFコネクタが必要です。 また、この製品はユーザーが自分で組み立てる必要があり、小中学生をはじめ、組み立ての経験がない多くのユーザーも使用する製品です。グローバルに販売する製品であることを考慮すると、品質や組立てに問題が発生した場合、販売後のユーザーサポートコストが莫大になってしまう可能性があります。 これまでのところ、MHF® Iコネクタが原因となる問題は発生しておらず、ユーザーはスムーズに組立ができています。 I-PEXのMHF® I製品の品質が安定していることは明らかであり、このコネクタは、コネクタの嵌合に慣れていない一般ユーザーにとっても非常に扱いやすいものだと思います。
I-PEXのCABLINE®-VS / VSF:メカニカルロック付きの高速データ伝送コネクタ
GameShellにCABLINE®-VS / VSFコネクタを選択したのはなぜですか?
Yao氏:GameShell製品のコネクタの選定には、いくつかの難しい要件がありました。1つに、マザーボードと画面モジュールを接続しているため、ピン配線が多いこと。次に、機器の内部ケーブル要件と、この製品が手のひらサイズ程度であるということのために機器の内部スペースが限られており、サイズの制約があるため、非常に薄く小さいコネクタを採用する必要がありました。
Lui氏:私たちは多くのFPCコネクタを検証しました。一般的なFPCコネクタの場合FPCが正しく嵌合されているかどうかを判断することの難しいため、取り付けたときの感触はあまり良くありませんでした。一般的なFPCコネクタの場合、振動が問題となり、使用中にFPCが移動してカバーに応力がかかり、カバーが徐々に開いてボードから外れる可能性があったため、コネクタによる接続が脆弱になります。コネクタを長期間使用すると、カバーが外れやすくなると考えました。そこで、多くのコネクタを比較し、さまざまな解決方法を考えたところ、I-PEX Webサイトに小型コネクタページにたどり着きました。I-PEXのCABLINE®-VSFコネクタはディバイス内の高速信号を伝送することができ、メカニカルロックはコネクタの脱落を防ぐだけでなく、嵌合時に不完全な嵌合を防ぐ機能もあります。プラグとレセプタクルが完全に嵌合していないと、コネクタをロックできません。これは普段組立に慣れていないユーザーでもFPCが適切に嵌合されているかどうかを確認することにも役立ちます。また、CABLINE®-VS receptacleはVESAの標準品であり、多くの有名ラップトップPCブランドでも使用されていることを知りました。この製品は標準品としての多くの実績があり、私たちはその信頼性を強く確信することができました。
Lui氏:実は、私たちは教育プログラムにも携わっています。毎年100セットの開発用ツールを学校などの教育機関に寄贈しているのです。これまでに30以上の学校がこのプログラムに申請し、私たちはこれらの学校に開発ツールを寄贈しました。12歳の子供にGameShellデバイスの使い方を教えようとしている教師を見て我々も感激しました。言ってしまえば、子供でも使えるコネクタが必要なのです。I-PEXコネクタは適切に設計されており、操作が非常に簡単で、品質が安定していると思います。これらの活動を通してコーディングを学ぶ子供たちに喜びをもたらすことができれば、それは私たちの最も有意義な成果となるでしょう。
デジタルテクノロジーの楽しさを伝えていきましょう!
将来のClockworkの開発プランは何ですか?
Liu氏:1つは既存のゲームプレイ製品をさらに拡大することです。特に北米、ヨーロッパ、また日本のユーザーは、多くの場合より多角的な要求を持っており、よりオープンなシステムを期待しています。将来的にはラップトップPCの機能を拡張する可能性が高く、heartbeat、EEG、ソフトウェア無線やFPGAチップなどより興味深く豊富な機能が開発されることが期待される新しいアーキテクチャのチップメーカーとコラボレートしていきます。一方では、レトロな形状をした4G、5Gなどの通信機能を持ついくつかの新しいディバイス製品を開発したいと思っています。