Wi-Fi 6 / 6E とは?
今やインターネットの無線LAN構築に欠かせない「Wi-Fi」について基礎的な情報から、Wi-Fi 6 / 6Eのメリットに関してまで幅広くご紹介します。
もくじ
Wi-Fiとは?
Wi-Fi※とは1997年にオーストラリア人電気工学者John O’Sullivan氏の研究チームによって開発された技術で、比較的狭い範囲内の機器を相互に接続するコンピュータネットワークとして、PCやスマートフォン、ゲーム機器などのデジタル機器をネットワークに接続することを可能にする無線LAN(Local Area Network)規格の一つです。
※Wi-Fi…Wireless Fidelityの略称。
Wi-Fiの規格化は主にIEEEとWi-Fi Allianceの2つの団体により構成されています。
IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)はアメリカに本部を置き、電気通信関連の仕様を標準化する機関として、無線LANの技術仕様を規格化する「IEEE802.11」など、さまざまな規格を策定しています。電気・電子技術に関する世界最大規模の学術研究団体です。
IEEE802.11に準拠した無線LANの技術仕様に対して、Wi-Fi Allianceでは無線LANの使用におけるデバイス間の無線通信の互換性を検査し、認証テスト試験に合格したものにWi-Fi認証を付与することで、異なるデジタル機器ブランドであっても無線LANの相互接続を可能にしています。
Wi-Fi CERTIFIEDロゴは、Wi-Fi Allianceが実施する相互接続性などについての認定試験に合格した機器のみ使用が許可されています。
Wi-Fiの世代
IEEE802.11に準拠した無線LANの規格名は「IEEE 802.11」の後ろにアルファベットを付けて世代を表しています。しかし規格に馴染みのない一般ユーザには名称から通信規格の新旧がわかりにくい状況でした。Wi-Fi Allianceは規格の世代をよりわかりやすくするため、Wi-Fi規格として第6世代にあたる「IEEE 802.11ax」のWi-Fi名称をWi-Fi 6とし、それ以前の世代にあたる「IEEE 802.11n」「IEEE 802.11ac」についてもそれぞれWi-Fi 4、Wi-Fi 5としました。なお、第3世代以前のWi-Fi規格には、世代名称はありません。
また、Wi-Fi 6拡張としてWi-Fi 6EがWi-Fi Allianceによって導入されました。Wi-Fi 6でサポートされている2.4 GHzおよび5 GHzの各帯域幅に加え、免許不要の6 GHz帯域で機能を使用できるようになります。
IEEE 規格 | Wi-Fi 世代 | 最高通信速度 | 周波数帯域 |
IEEE802.11 | - | 2 Mbps | 2.4 GHz 帯 |
IEEE802.11b | - | 11 Mbps | 2.4 GHz 帯 |
IEEE802.11a | - | 54 Mbps | 5 GHz 帯 |
IEEE802.11g | - | 54 Mbps | 2.4 GHz 帯 |
IEEE802.11n | Wi-Fi 4 | 600 Mbps | 2.4 GHz / 5 GHz 帯 |
IEEE802.11ac | Wi-Fi 5 | 6.9 Gbps | 5 GHz 帯 |
IEEE802.11ax | Wi-Fi 6 | 9.6 Gbps | 2.4GHz / 5GHz 帯 |
Wi-Fi 6E | 6 GHz 帯 |
Wi-Fi 6の特長
Wi-Fi 6にはいくつかの特長があります。
- 超高速通信
Wi-Fi 5の最大通信速度は理論値で約6.9Gbpsでしたが、Wi-Fi 6では約9.6Gbpsと約1.4倍も高速になるといわれています。そのため、8Kや4Kなどの高画質な映像閲覧やネットゲームの配信も快適になります。
- ワイドバンド化
Wi-Fi 6ではバンド幅が80MHzから160MHzにワイドバンド化し、一度に送信できるデータ量が増加しています。電車で示すと、以下のように路線が1路線から2路線に拡大することで、運搬できるデータ量が増えるイメージです。
- 複数端末同時通信
Wi-Fi 5やそれ以前のWi-Fi規格では、同時に接続する機器が増えると、通信が混雑し繋がりにくくなったり回線速度が遅くなったりすることがありました。Wi-Fi 6にはOFDMA(Orthogonal frequency Division Multiple Access)という技術が採用されています。ODFMAはいわば電波の譲り合いを可能にし、同時に接続しても通信の順番待ちが発生しない技術です。今まで同時に多数のデバイスをWi-Fiに接続しようとすると、回線が渋滞して動画や画像をダウンロードすることに時間がかかっていましたが、Wi-Fi 6のODFMA技術の採用により、オフィスや飲食店、イベント会場など多くのデバイスが同時に接続される環境でもより安定した通信が可能になります。
- 使用周波帯域
Wi-Fi 6は2.4GHz帯と5GHz帯の2つの帯域を使用しています。またW-Fi 6EではWi-Fi 6の拡張として新たに6GHzの周波数帯が加わりました。
2.4GHz帯域の通信速度は5GHz帯域の通信速度に劣るものの、壁や扉などの遮蔽物には強い特徴があり、広範囲対応可能な周波数帯域です。しかし、2.4GHz周波数帯は、電子レンジやBluetoothなど様々な機器にも利用されている周波数帯域でもあるため、電波干渉が生じる場合もあります。
5GHzは2.4GHzと比較して通信速度が速い一方、壁や扉などの遮蔽物に弱いという特徴があります。
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