I-PEXが提案するFPD(フラットパネルディスプレイ)用 次世代コネクタ
I-PEXの代表的な細線同軸コネクタCABLINE®-VS は、VESA® (Video Electronics Standards Association)が定めるLEDバックライトFPD 規格の標準コネクタとして、ノートパソコン市場で10年もの間、幅広く採用され続けています。加えて、近年は技術革新によりノートパソコン市場でも新たなソリューションに対する要求も高まっていました。I-PEXでは、このような新たな要求に対して複数の新提案を準備しています。
目次 :
新たなソリューションが必要とされる3つの理由
1) EMI対策
2) パネルインターフェイスに要求される より高速なデータ伝送速度への対応
3) パネル以外の内部データ伝送規格 高速化への対応
次世代 細線同軸コネクタ CABLINE®-VS II・CABLINE®-CA IIの先進的なデザインコンセプト
CABLINE-VS II と CABLINE-CA IIの特徴と優位点
パネルに接続される マザーボード側への新たなソリューション提案
CABLINE-UMの特徴と優位点
新たなソリューションが必要とされる3つの理由
狭額縁ディスプレイの登場により、TCON基板サイズが更なる寸法制限を受ける為、主要な機能(TCON,RFアンテナ、カメラ)が基板周辺に集約されます(図1)。その結果、電気信号干渉問題が生じる為(図2)、EMI対策として、コネクタにもEMIシールド機能が要求されています。
2. パネルインターフェイスに要求される より高速なデータ伝送速度への対応
業界標準eDP規格と同様に、画素数(2K->4K->5K->8K)・リフレッシュレート(30 Hz->60 Hz->120 Hz)も、上昇を続けています。その結果、コネクタにも更なる高速データ伝送速度をサポートする必要が生じます。
eDP 規格 :
- RBR (1.62 Gbps/lane)
- HBR (2.70 Gbps/lane)
- HBR2 (5.40 Gbps/lane)
- HBR3 (8.10 Gbps/lane)
- UHBR20 DP 次世代規格 (20 Gbps/lane)
全般的な傾向として、全ての主要な標準規格は高速化しています(図3参照)。一般的なI/O規格 USB, に続いて、Thunderbolt™ 、DPが20 Gbps/lane.へと移行していきます。
次世代 細線同軸コネクタ CABLINE®-VS II・CABLINE®-CA IIの先進的なデザインコンセプト
CABLINE-VS II と CABLINE-CA II は、どちらも360°EMIシールドロックカバー付き、水平嵌合 細線同軸コネクタです。主な違いはコンタクトピッチ(VS II : 0.5 mm, CA II : 0.4 mm)、嵌合高さ(VS II : 1.2 mm max, CA II : 1.1 mm max)。
- 大口径電線 (細線同軸45Ω AWG #36, ディスクリートAWG# 32) が必要な場合、CABLINE-VS II 推奨。
- より小さな占有面積が必要な場合、CABLINE-CA II 推奨。
- 基板スペースが限られ、大極芯数が必要な場合、CABLINE-CA II 推奨。
- 高速データ転送速度を要求する、USB4, Thunderbolt™ 3, DP2.0 (20 Gbps/lane) に最適 (図4)
多点グランドを駆使した、高度なシグナルインテグリティ設計 - EMI漏洩防止に全方位360度 EMIシールドカバー (図2)
限られた基板スペース内でのEMI対策を実現 - メカニカルロックカバーによる半嵌合防止 (図4)
ロックカバーで安定的な嵌合を保持 - CABLINE-VS はVS IIのPCBレイアウトに実装可能で、CABLINE-CAはCA IIのPCBレイアウトに実装可能 (図5)
CABLINE-VS と VS II、または CABLINE-CA と CA II といった2つのコネクタを同じPCBレイアウトで平行して比較評価を進める事が可能となり、最終的にお客様のアプリケーションに最適なソリューションをお選びいただけます。
パネルに接続される マザーボード側への新たなソリューション提案
高速データ伝送やEMI対策の要求はパネル側だけでなく、パネルが接続されるマザーボード側でも同様に求められています。ノートパソコンのマザーボード側には、基板設計の自由度から、ライトアングル・プラグと縦嵌合リセプタクルの組み合わせが好まれてきました。I-PEX FPLシリーズ(0.5 mmピッチ細線同軸コネクタ)は、この用途に幅広く使用されてきました。上記のような新たな技術的要求に対する新たな提案として、次世代のライトアングル縦嵌合コネクタをご紹介します。
CABLINE®-UM は、360°EMIシールド・メカニカルロックオプション付き、嵌合高さ2.20 +/- 0.15 mm、0.4 mmピッチ ライトアングル縦嵌合タイプの細線同軸コネクタです。(図6)
- 高速データ転送対応、USB4, Thunderbolt™ 3, DP2.0 (20 Gbps/lane) に最適
多点グランドを駆使した、高度なシグナルインテグリティ設計 - EMI漏洩を防止する全方位360°EMIシールド (図6)
限られた基板スペース内でのEMI対策を実現 - メカニカルロックカバーによる高い嵌合保持力