I-PEX小型電源端子コネクタAP-10のご紹介

AP-10

近年の自動車産業は100年に1度の変革期を迎えていると言われています。その変革とはCASEと呼ばれる「コネクテッド化(Connected)」「自動化(Autonomous)」「シェア・サービス化(Shared & Service)」「電動化(Electric)」の4つの要素から変化を遂げています。中でも自動車の「電動化(Electric)」が急ピッチで進んでいます。燃料を動力源とするエンジンが使用される自動車から「Battery+motor」の電力を動力源とするEV車(電気自動車)に置き換わり始めています。そのEV車の普及が進んでいる背景には大きく分けて2つの点があげられ、①各国の環境への配慮による規制強化。②産業教育のための国策が挙げられます。①中国やインドなどの大気汚染が深刻な国においては電動化が1つの解決策として見られており、規制強化やEV車への優遇措置が取られています。ヨーロッパにおいても温暖化対策としてEV車への優遇措置をとる国が出てきています。また、②産業教育のための国策という側面もあり、特に中国は国主導でEV車の普及を後押ししています。こうした背景から近年自動車業界ではEV/ PHEVと呼ばれる電気自動車の普及が急務となっています。

EV/PHEVは車載バッテリーへの充電装置として車載充電器が搭載されています。車載充電器は、車両航続距離を長くするために大容量バッテリーを短時間で充電を完了させるための高出力化が求められています。また、今まで機構部品しかなかったスペースにバッテリー、充電器、インバーターやコンバーターなどの電動化による新たなパーツが搭載されたことにより、それらは小型化、高密度化が求められています。今回I-PEXが紹介するのは車載充電器、インバーター、コンバーター向けに開発された高電流・高温に対応した小型基板間接続端子のコネクタです。小型ながら耐熱性に優れた高導電銅合金を使用することで定格電流16A対応を可能にしました。また独自のバネ構造とフローティング機能によりコネクタ嵌合時の軸ズレを許容した上で接触信頼性を確保した設計になっております。上記の用途以外にも車両の様々なアプリケーションでお使いいただけるコネクタであるAP-10の特徴を紹介いたします。

目次:

 

小型でありながら大電流対応可能とした基板間接続端子

バスバーを使った接続のような従来の接続方式に比べ、最小の投影面積ながら大電流を流すことができる高効率なコネクタです。バスバーからコネクタへ変更する事での第1のメリットとしては、部品点数の削減が挙げられます。実例として、コネクタを使用する事でバスバー接続 (バスバー + ネジ) と比べて部品点数が削減できます。第2のメリットとしては、作業性の向上が挙げられます。従来多用されてきた基板-端子への半田付けやネジを使用した接続工法から、接続箇所をコネクタ化 (基板実装) することで、組立て作業の簡易化、メンテナンス時の工数削減、自動化によるタクトタイムの削減に貢献し、最終的に全体のコスト低減に寄与します。

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嵌合時の軸ズレ対応フローティング性能

接続を行う基板対向面にプラグ(オス型)コネクタとリセプタクル(メス型)コネクタを面実装にて配置し、基板組み込み時にそれぞれのコネクタを嵌合させることで基板間を接続します。一般的に大電流を通電させるコネクタは大容量の電流を流すため必然的に寸法が大きくなり、重量も重たくなります。一方で、AP-10は最大寸法7.60mm × 5.20mm 重量は0.5gとなっており、小型、軽量なコネクタです。独立したリセプタクル側の4つのバネでプラグ側に追従・接続することで軸ズレを許容し(軸ズレ量×軸方向0.55mm、Y軸方向0.70mm)、高い接触信頼性を確保できます。さらに半田ストレスを軽減するばねデザインを採用することでフローティング時の半田部分にかかるストレスを軽減させることに成功しました。

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車載機器・産業機器向け対応した耐熱性

車載搭載機器や産業機器に重要な要素を占める高耐熱性、高耐震性に優れ、過酷な環境下であっても安定したパフォーマンスを発揮することができます。

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多数個使い・高密度化を実現する低挿入力

AP-10は低挿入力の為、複数個を一つの基板に実装し、一度に嵌合しても大きな力を必要としません。また複数個を一度に嵌合できるため組立て作業の簡素化を実現し、生産性の向上に寄与します。さらに、基板上にコネクタを色々なポジション、アングル、向きに配置することで基板上のデザインの自由度を上げることができ、高さ方向へのバリエーションを展開することで、コネクタ嵌合における有効長の距離に幅を持たせることが可能です。あらゆる箇所で定格電流16Aを流すことが可能なので、高出力を必要とする基板間接続に最適な高電流対応コネクタとなっております。

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プラグコネクタの高さ違い対応及びカスタム品対応

プラグコネクタの高さ違い対応で基板間の空間設計 (多層化) 自由度を上げることが可能です。また、I-PEXは設計段階からお客様のご要望をヒアリング、解析ツールを駆使し、ご要求性能に合わせたコネクタの最適形状をご提案・高品質な製品を開発し、お客様へ供給いたします。

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このように、AP-10は車載機器向けに対応した小型、大電流基板間端子です。
AP-10をご採用いただくことにより:

  • 従来の工法と比べ大きな工数削減、省スペース化、トータルコストの低減を実現します
  • 位置ずれ吸収で作業性、ロボット組立による自動化に貢献します
  • 低挿入力による同一基板上へ多数個使いが可能な為、組み立て作業性、設計自由度、基板レイアウト、回路設計の簡素化、向上に貢献します
  • 長期信頼性を検証し過酷な環境下でも安心、安全にご使用いただけます
  • カスタム品対応により基板間の空間設計(多層化)自由度の向上に寄与します

 

関連製品: 

16アンペア対応基板対基板電源端子

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AP-10
  • 大電流、高温対応、基板間接続電源端子
  • 小型化による基板の省スペース設計に寄与
  • スペースに合わせた設計対応 (カスタム)

 

ISH®は対高温性・耐振動性に優れたコネクタシリーズで、水平嵌合タイプ、垂直嵌合タイプ、電線中継タイプ、電源用端子を備えたハイブリッドタイプと様々なタイプをご用意しています。メス側コネクタに実装されたバネ構造により高い接触信頼性を実現しました。 ISFIT®は独自の4点接点バネ構造を備えた無半田接続プレスフィット端子です。独自のバネ構造により挿入力を大幅に低減、圧入時の基板スルーホールへのダメージを抑制します。また中心維持性に優れ、実装や検査の工数削減にも有効です。ご要望に応じこのISFIT®端子を用いた多種多様なカスタムコネクタをご提案します。