I-PEXコネクタ製品図面の読み方について
製品図面は技術者にとって言語といえます。技術者は図面を介してコミュニケーションをとり、製造部門は図面に従って工程を検討し組立てを行います。製品図面を読んで理解することは、エンジニアの設計作業や製造ラインでの組立工程において非常に重要です。
製品図面の描き方には一般的な基準がありますが、図面の記載方法は会社ごとに異なります。この記事では、I-PEXコネクタ製品の図面の読み方についてご説明しています。図面をよりよく理解し、設計と開発を行い、生産ラインとのコミュニケーションをより効率的にするのにお役立てください。
製品図面の入手方法
I-PEX製品の図面は、当社の公式Webサイト(www.i-pex.com)から表示およびダウンロードできます。
ヘッダーメニューの[製品]をクリックして製品カテゴリを選択するか、ページ上部の[製品フィルター]セクションにある製品画像をクリックします。また、ページ右上の検索ボックスから、お探しの製品名や部品番号を入力して、製品ページを探すこともできます。
製品ページを開いた後、「ダウンロード」一覧から「製品図面」を選択すると、該当製品に関連する図面が表示されます。 ダウンロードする図面をクリックすることで2D図面PDFが表示されます。
または、お近くのI-PEX営業担当者および技術担当者に連絡して、必要な図面を要求することもできます。 (拠点一覧)
コネクタ製品図の構造
ここではCABLINE®-CA IIのレセプタクル製品図面(20682)を例にご説明いたします。
I-PEX製品図面は通常、複数のページで構成されており、次の図に示すように、各ページは特定の領域に分割されています。
1ページ目
図面1ページ目の右下隅に、2つのテーブルが表示されています。 1つは下部にある赤で囲まれたタイトル表で、もう1つは緑で囲まれた部品名と材料シート(BOMとも呼ばれます)表です。
- タイトル表部分
1. I-PEXロゴ
2. 「Customer Copy」表記は、この図面がお客様が使用するためのものであることを示しています
3. この製品の名称
4. この製品の部品番号の最初の5桁
5. ページ番号/総シート番号
6. 改訂番号
7. この図面の生成に使用された投影方法の説明。(すべてのI-PEX図面は三角法に基づいています。)
8. 図面内で公差が記載されていない寸法に適用される一般公差
9. I-PEXの初期製品設計および開発チームのメンバー
10. 変更の記録
- 部品名と材料シート(BOM)表部分
11. この製品を構成する部品名称
12. 上記部品の材質説明
13. 「FINISH. REMARKS」欄は、ハウジングの可燃性グレードや色、金属部品のめっき仕様などを示しています。
- 部品番号と寸法表
1. Recommended P / N(Parts Number):推奨製品番号
一部の製品はタイプとリビジョン違いなどにより、複数の部品番号が付いている場合があります。推奨部品番号は、多くの場合その製品タイプのなかで最も生産されているタイプであったり、最新の形状タイプが示しています。 お客様の使用条件など特別な理由がない限り、I-PEXはこの推奨部品番号を選択することをお勧めしています。(推奨製品番号内の「**」マークは芯数番号を示します。)
2. 使用可能な芯数と、芯数に基づく寸法のリスト。
3. 部品番号の構成情報
製品にさまざまなタイプがある場合、別の表で製品タイプの詳細を示す場合があります。
- 図面中央部
1– 4. 三角法に基づいた、さまざまな角度からの製品の外観とサイズを記載
5. 製品の断面図。部品の構成と相対位置
6. 製品にプルバー機能がある場合のプルバーの移動軌跡の図解
- コネクタ嵌合状態図
1. 図面内の製品と嵌合するパーツ番号
(CABLINE®-CA IIレセプタクルの場合、結合するCABLINE®-CA II プラグアセンブリ番号)
2. コネクタの嵌合状態の寸法
(水平コネクタの場合は嵌合状態の奥行寸法、垂直コネクタの場合は嵌合状態の高さ寸法)
3. 嵌合時のコンタクトの有効嵌合長
(有効嵌合長は製品の接点信頼性と関係性があります)
製品仕様ページ
製品仕様ページには、製品の主要な電気的および機械的仕様が記載されています。
通常I-PEXには、製品のさまざまな電気的、機械的、および環境テスト条件と仕様を掲載した製品仕様と呼ばれる技術文書も別に提供しています。それらの技術文書の中から、主要または頻繁に参照される項目が一部、製品図の仕様表にまとめて掲載されています。
1. 仕様の項目とデータ
2. 技術文書のファイル番号を記載しています。
仕様、テストレポート、作業手順など更に詳しい情報が必要な場合に、これらの技術書類を参照ください。
フットプリントとメタルマスクのレイアウトページ
このページは基板のフットプリントとスチールメッシュの推奨サイズとレイアウトを示しています。
1. 推奨される基板のフットプリントサイズとレイアウト
2. 半田塗布用スチールメッシュの推奨穴サイズとレイアウト(穴サイズとメッシュ厚さを含む)
この推奨設計をご参考にしていただくことで、半田実装時に発生する問題を軽減することに役立ちます。
リフロー条件ページ
基板のフットプリントに対するコネクタの実装位置と推奨するリフロー温度カーブを記載しています。
1.推奨されるフットプリントパターンでのコネクタの位置を示しています。
2.推奨されるリフロー炉の温度カーブを示しています。
お客様のフットプリントデザインまたはメタルマスクのサイズまたはレイアウトが推奨デザインと異なる場合、フットプリントへのコネクタ位置またはリフロー条件も異なる場合があります。
製品の梱包方法ページ
通常、I-PEXの基板実装製品(SMT:Surface Mount Technology製品)の場合、製造時の基板実装工程を容易にするために、テープとリールを使用して梱包されています。 各ロールのサイズ、材質、梱包数量が表示されます。
1. 1リールあたりに梱包している製品数
2. 1箱(カートン)あたりに梱包できるリース数
3. リールの送り方向
4. テープとリールのサイズとイメージ
5. 製品梱包用に使用するテープのイメージ