I-PEX Embedded Optical Blade (I-PEX EOB) (2019/Aug/1)
シリコンフォトニクスICを使⽤した、超薄型コネクタ⼀体型アクティブ光モジュールを開発
〜100Gbps(25Gbps x4ch) 300mの⻑距離伝送に成功〜
I-PEXは、データセンターなどで⽤いられる光インターコネクション⽤途向けに、アイオーコア株式会社(本社︓東京都⽂京区、代表取締役社⻑︓福田 秀敬、以下アイオーコア)のシリコンフォトニクスIC「光I/Oコア」を使⽤した、⾼さ約2mmの超薄型コネクタ⼀体型アクティブ光モジュールである「I-PEX Embedded Optical Blade (I-PEX EOB)」を開発、マルチモードファイバによる300mの⻑距離伝送に成功しました。I-PEX EOBの⼩型・超薄型という特⻑を⽣かすことで、プロセッサに近い位置で光電変換を⾏うことが可能となり、これまでプロセッサから基板端までの電気配線で⽣じていた伝送損失を⼤幅に低減することができます。データ処理量の増⼤に伴って⾼まる⾼速伝送のニーズに応えるモジュールとして、活⽤が期待されます。
背景
光通信は主に装置間伝送や⻑距離伝送において利⽤が進んでいます。⼀般的に機器の内部は電気配線で接続され、機器のインターフェース部で光に変換された後、機器の外部でファイバーケーブルに接続されます。伝送データの増⼤と⾼速化が進むなか、機器内におけるプロセッサから基板端までの電気配線による伝送ロスがボトルネックとなりつつあることから、光電変換回路および部品をよりプロセッサに近い場所に配置し、機器の内部から光伝送を⾏えるソリューションが求められてきています。⼀⽅で、基板上は回路が密集するためスペースに厳しい制約があり、プロセッサの周辺には熱対策のための部材も存在することから、従来、光電変換はプロセッサから⼀定の距離を空ける必要がありました。
内容
当社はこの度、これらの課題を解決するために、アイオーコアの超⼩型シリコンフォトニクスICである光I/Oコアを採⽤し、低背化のため光I/Oコアからマルチモードファイバを⽔平に引き出す接続技術を開発。これらを統合しケーブルプラグに組み込んだコネクタ⼀体型アクティブ光モジュールである「I-PEX Embedded Optical Blade (I-PEX EOB)」を試作し、光I/Oコアを⽤いた100Gbps(25Gbps x4ch)による300mの⻑距離伝送を達成しました。
I-PEX EOBは⾼さ約2mmの超薄型メカニカルロック付きプラグコネクタ形状であり、⼤型の放熱部材の下に配置することで、プロセッサにより近い場所で光電変換が⾏えます。本モジュールには光I/Oコアを駆動するためのICも実装しており、使⽤される機器のシステムを複雑化させることなく、光電変換の回路を組み込むことが可能です。
当社では、今後このソリューションの製品化および量産に向けた開発を推進していく予定です。詳細はお問い合わせください。
アイオーコア株式会社および光I/Oコアについて
アイオーコア株式会社は、技術研究組合光電⼦融合基盤技術研究所(PETRA)から研究成果の知的財産権と技術の⼀部を承継して新設分割された初めての株式会社です。この研究成果は、PETRAが国⽴研究開発法⼈新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から委託を受けて実施したものです。
同社が量産する光I/Oコアは、シリコン基板上に光素⼦を形成する「シリコンフォトニクス技術」を⽤いて作製した5mm⾓サイズの光トランシーバーチップで、1chあたり25Gbps の伝送速度を持ち、送受4chでトータル100Gbpsの伝送速度による双⽅向通信が可能です。