よくある質問(FAQ)
よくある質問 (FAQ)
MEMS加工サービスについて
KRYSTAL® Wafer製品、成膜サービスについて
- 単結晶のPZTにはどのような特徴があるのですか?
- KRYSTAL® Waferの単結晶PZTにはセンサ仕様とアクチュエータ仕様があるようですが、その特徴の違いは何ですか?
- どのような基板にも成膜して貰えるのですか?
- 下地電極膜タイプのKRYSTAL® Waferを購入し自分たちで単結晶圧電膜を作りたいのですが、うまくいくでしょうか?
- 電極材料の単結晶化によるPt電極の低抵抗化(導電率向上)について
- TEOS成膜によるPZT薄膜の劣化挙動について
その他、ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
MEMS加工サービスについて
特定のMEMS加工工程のみも対応可能ですか?
はい。一部のMEMS加工工程のみでも対応可能です。
詳しい工程内容についてはプロセスメニューをご確認ください。
また、メニューにない工程についてもお気軽にご相談ください。
供給した他社製のPZTウエハーに加工依頼する事も可能ですか?
はい。ご供給いただいた他社製のPZTウエハーに加工することも可能です。
ウエハーの素材や条件にもよりますのでまずはご相談ください。
KRYSTAL® Wafer製品、成膜サービスについて
単結晶のPZTにはどのような特徴があるのですか?
多結晶のPZTと比較して、圧電特性は同等の性能を維持しながら、誘電率が半分以下になるという特徴があります。
アクチュエータ用途では低消費電力化、センサ用途ではS/N比を向上させることが可能です。
また、共振を利用した用途では結晶壁が少ないため、損失が低くなり、同じ理由で光学用途として使用する場合には透過率が向上します。
さらに、結晶として非常に安定しているため、環境温度による特性変動が小さいことや、電圧に対する変位量のリニアリティーが高いことも特徴として挙げられます。
その他、用途に応じた最適なソリューションをご提供できます。
単結晶圧電薄膜について更に詳しく
KRYSTAL® Waferの単結晶PZTにはセンサ仕様とアクチュエータ仕様があるようですが、その特徴の違いは何ですか?
素材としては同じPZTですが、Zr/Tiの組成比を変更したり、成膜時のレシピを調整することにより、用途に合わせてチューニングしております。
例えばアクチュエータ仕様では、消費電力量や発熱量を抑えるように設計されています。その結果、多結晶PZTと比べて約1/4にまで消費電流は低減されており、駆動ICなどの小型化において活躍が期待できます。
一方、センサ仕様では、出力電荷量の増大によりS/N比が向上。センサの更なる高感度化や小型化といった用途へつながります。
これら2つの仕様は、あくまで標準仕様として用意した一例です。お客様からのご要望に応じ、単結晶圧電膜の持つ様々な特性を活かしたチューニングも可能です。
どのような基板にも成膜して貰えるのですか?
Si基板、SOI基板共に成膜実績がございます。
基本的にSi面が表面に露出している基板であれば成膜可能です。対応可能な標準基板サイズとしては、6″、 8″となります。その他のサイズの基板に成膜をご希望の場合は、是非ご相談ください。
なおSOI基板へ成膜する場合は、裏面酸化膜の有無やBox層の仕様に合わせて、成膜条件を微調整をする場合がございますので、仕様情報のご提供をお願いしております。SOI基板の御支給が無い場合は、弊社にてご用意致しますので、その旨お申し付けください。
その他酸化膜基板等、特殊な基板への成膜をご希望の場合には、ご相談ください。
下地電極膜タイプのKRYSTAL® Waferを購入し自分たちで単結晶圧電膜を作りたいのですが、うまくいくでしょうか?
下地電極膜タイプのKRYSTAL® Waferを使った数多くのお客様から単結晶化に成功したとのご報告を頂ております。AlNやKNNといった非鉛系材料の圧電膜についても単結晶化が確認された実績があります。
ご要望があれば、プロセス条件についてのご相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。
電極材料の単結晶化によるPt電極の低抵抗化(導電率向上)について
デバイスにおける電極の低抵抗は重要なパラメーターです。デバイスの発熱対策や低消費電力化、S/N比の向上に効果があることが分かっています。弊社では、独自技術により電極材料を単結晶化した結果、抵抗率が低減(導電率が向上)されていることを確認しました。
(試験方法)
■ 測定器:Surface Resistivity Meter Model SRM-232(NPS製)
■ 測定方法:4端子を電極基板に接触させ、シート抵抗を測定
※複数測定の平均値を使用
バルク(文献値)と比較して同等以下の抵抗率となっていることが確認できました。特に、Pt(111)配向では、バルクの1/3以下の抵抗率となっており、異方性も確認できたと考えています。これらの結果は電極での損失を低減する効果が期待され、お客様のデバイス性能向上に貢献できるものと考えています。Pt以外の材料についても単結晶化の実績がございます。詳細はお問い合わせください。

TEOS成膜によるPZT薄膜の劣化挙動について
PE-CVDによるTEOS成膜によるPZTの変化を評価しました。TEOSによる熱やプラズマによるPZT劣化を見るために、P-Eヒステリシスの変化で検証しました。
(条件)
■ 試験サンプル: Pt(100nm)/PZT(2000nm)/SRO(40nm)/Pt(150nm)/ZrO2(60nm)/Si基板
■ PE-CVD条件: 500nm-300℃
■ 測定機: 強誘電体評価装置(東陽テクニカ製)
■ 波形: 三角波、100Hz、±100V、1Pass(+ループ)
TEOS成膜前後での比較で、P-Eヒステリシスにほぼ変化がないことが確認されました。
これはTEOS成膜によるPZTの劣化が発生していないことを意味し、弊社のPZTがプラズマダメージに耐性があることを確認。
