単結晶化メカニズム
単結晶
結晶には、結晶を構成する粒子の配列の違いによって「単結晶」と「多結晶」があります。
粒子が規則正しく並んでいる物質を「単結晶」といい、その代表格はダイヤモンドです。硬く透明なダイヤモンドはカーボン(炭素)からできています。ところが、軟らかくて黒い鉛筆の芯も同じカーボンからできています。同じ素材でも、結晶の状態によって色や特性が大きく変わるのです。
単結晶化技術のメカニズム
素材の単結晶化によってあらゆる特性が向上することは業界で知られていましたが、技術的、コスト的に難しく、実用化に至っていませんでした。弊社は、独自の単結晶化技術によってこれらの課題を克服し、これまで不可能とされていた素材の単結晶化に成功しました。より多くの製品の製造とともに、お客様の幅広いニーズに応えられるようになりました。
KRYSTAL® Waferの単結晶化技術のキーテクノロジーは、バッファー層のうち、特にジルコニアの持つ形状にあります。プラチナやジルコニアの界面では、微小なピラミッド(ナノピラミッド)構造が形成され、連続的かつ規則的に並んでいます。その理由として、Tetragonal(正方晶系)構造のジルコニアが、P42/nmcの空間群に分類される Ditetragonal-dipyramidal(正方晶系)構造をとりながら結晶成長するためと考えられています。
このナノピラミッド構造は、圧電材料の結晶格子に合わせて、自ら格子を変化させる「可変するピラミッド」として振舞います。弊社では実際に、異なる圧電材料を成膜する際に、構造が変化していることを確認しています。一般的には、格子整合を目的としてバッファー層が使用されますが、弊社技術ではバッファー層そのものが上下の膜に合わせて変化することにより、自然に配向が制御されるのです。
KRYSTAL® Waferは独自開発のジルコニアバッファー層に形成されるナノピラミッド構造のおかげで、より幅広いプロセスへ対応できるようになり、結果、様々な材料の単結晶化が可能になりました。